ラインナップ(2000/７/１１ 改定): ■リミット もしも我が子が…■花村大介■愛をください■合い言葉は勇気■Summer Snow■フレンズ■フードファイト■催眠■
途中リタイア: ■バスストップ(7/3放送 第1話 まで)■億万長者と結婚する方法(7/5放送 第1話 まで)■20歳の結婚(7/6放送 第1話 まで)■つぐみへ(7/13放送 第2話 まで)■
最初から見ない: ■ナースのお仕事3■21時・22時台以外■時代劇■NHK■
※ 日記をつけ始めた経緯を、「ドラマ雑記(19９８年4月〜)」ページの最後にまとめてあります。※
各話を思い出すのに役立つ!?「キーワード」をつけてみました。タイトル右の「KW: xxx」がそれです。
■■ 視聴が第2話で止まっていた「催眠」ですが、半年経ってやっと再着手です。■■
2001/6/13(水)、ついに見終わりました!
→第1話(2000/8/2記入) →第2話(2000/8/8記入) →第3話(2001/2/22記入)
→第4話(2001/3/1記入) →第5話(2001/3/5記入) →第6話(2001/3/21記入)
→第7話(2001/3/28記入) →第8話(2001/5/7記入) →第9話(2001/5/22記入)
→第10話(2001/6/4記入) →第11話・最終回(2001/6/13記入)
※ 2000/10/5(木)以降の放送分は 別ページ です。 ※
このドラマでは、登場人物たちが「人のありよう」について語る場面がよくあった。そして、言っていることのそれぞれは、どれも一理あるものだった。ただ気になったのは、その内容があまりに整理されすぎていて、分かり易くスラスラと話していたこと。まるで、文章として書いて何度も推敲したものを読んでいるかのようで......
基次郎(江口洋介)の場合は理解できる。彼は手紙という媒体を通して李理香(菅野美穂)と語り合っていたから、李理香に伝えたい言葉はいつも何度も書き直すクセがついていた。体が自由に動かせなくなってからは、李理香のことをずっと考えながら、伝えたい言葉を何度も頭の中で推敲していき、感情的な贅肉が削ぎ落とされていき、李理香が訪ねてきたときには、よりシンプルでより伝わりやすい言葉だけが残っていたのだと思えるから。
葛井(陣内孝則)の場合も、理解できなくもない。彼はプロの文筆家だから。
でも、他の人......基次郎の母や、実父の現在の妻や、中也(伊藤英明)の場合には、ちょっと不自然だなぁと感じてしまった。自分はこうして文章をよく書くから、人に何かを言うときに、口にする前に頭で整理してから言ったり、場合によっては事前に言うことを整理できていたりするけど、それでもいざ口にすると、ああも整然と言えるものではない。話がうまい人が話しているのを聞いていても、それがスピーチとかでもない限り、無意識に文脈が飛んでいたり、次の言葉を探していたりする様子を感じとることができるし。
だから何? って訳じゃないんだけど、気になったので。
李理香が腹違いの兄弟に対して「これからはお姉さんになる」というようなことを言ったとき、「え? 一緒に暮らすの? 兄弟たちはそれでいいの?」とか思ってしまった。もちろんそうじゃなくて気持ちの問題だったんだけど......最初にそういうことを気にしてしまう俺って、やっぱまだ人間ができてないのかな。
「zoo」一曲で歌をやめた李理香は、やはり歌をやめてしまった中也と共に歩むことになった。貧乏で慌ただしく、他人から見れば大変な生活になるかもしれないけど、二人はそれに耐えうる「愛」を手にしたのだろう。「永遠」が手からすり抜け落ちてばかりの俺には、羨ましい限り。
水没したはずの機密文書の内容を読み上げる花村大介(ユースケ・サンタマリア)。あれが彼のずば抜けた能力じゃなくて、女の子(奥菜恵)が記憶してくれていて協力してもらったんだ、というあたりが良かった。
カモフラージュに使ったファイルは、会社潜入時にゴミ箱に捨ててあったもの。最初にゴミ箱から拾い上げたとき、それがまさに機密文書では? とか都合のいいことを考えてしまったけど、それ以上の伏線だったんだね。
最後のゲスト揃い踏みシーン、ユースケ・サンタマリアさんのセリフって、きっと全部アドリブなんだろうね。タライが頭に落ちてきたあとの、長〜い間(ま)の取り方とかも。ゲストが全員大爆笑していたし。
花村大介に関わったすべての人々が彼を信頼していて、実はいい人だった会社社長もそこにいたりして、ジーンときてしまったよ。
いいね。「パート2 アリ!」って感じ。
やっとこさ最終回だったんだよねぇ。はー長かったー!
俺は「桜庭一希(矢田亜希子)が最終回で暴れまくり!」を期待していたけど、そうはならなかったなぁ。結局、「紫の蝶」事件の犯人は、刑事さんたちの睨んでいた通り由夏(瀬戸朝香)だった訳で。とりあえず、いろいろと整理しておこうかな。
昔の記憶については:
由夏の母を殺した顔のない男のことについては:
由夏が消された記憶を思い出し、殺人を犯し出したことについては:
倉石と宏美の結末については:
最後の北海道については:
今まで医療関係のドラマを見てきた経験からすれば、心停止後も周りの声は届いているらしいから、嵯峨が催眠を解いたことは有効だったはず。あとはセオリー通りに心マッサージ等を施せば、由夏の再生は可能だったように思える。しかしドラマ上では、彼女がどうなったのかは語られなかった。
ラストシーンでは、例のお化けネズミ少年と嵯峨が笑い合う中、「2001年夏」のテロップが.....ってそれは今じゃん! もしかして 2001年 7月から「催眠2」とかが始まるワケ!?
そうかー。放送開始から最終回時点で 3ヶ月、それから俺が半年ビデオをほったらかして、それから 3ヶ月かけてビデオを見て、それでもう 1年経っちゃんたんだよねー。もし本当にこれから「催眠2」なら、これはなんか上手いこと予定調和しちゃった感じだね!
(2001/6/18(月)追記) とりあえず、2001年 7月からの東芝日曜劇場は、違うみたいですね。もしかして映画に連携!? うーんあのラストのテロップ、謎だ。
それにしても、初回時の嵯峨には「女の子を救えなかった(映画で)」という無念が残っていて、それで由夏の治療を決意したんだから、ドラマ的には由夏が助からないと意味がないところだけど、さらに続編があるなら、由夏が助かっていなくても「三度目の正直!」ってことでオッケーでしょ! って言うんだろうねぇ。ヒロインも交代できるしねぇ。はぁ。
相手の頚動脈を抑えて「鼓動が遅くなる」ってやると心停止しちゃうというあたり、最後の方では完全に記号化していたなぁ。ホントにあれで死んじゃうんだったら、これはとんでもないドラマってことになるけど、どうなんだろうねぇ。
冴香さん(宮沢りえ)の握ったおにぎりが美味しかった、というところだけ、良かったかも。宮園(佐野史郎)は「うまーい!」と何回も叫んでいたね。満(草なぎ剛)もその違いに気づいてくれたら、嬉しかったんだけどな。
どうせ荒唐無稽なドラマなんだから、宮園に胃が二つある、というのは、本当に二つあっても良かったと思うのになぁ。せめて、ファイトが終わるまで宮園は不敵に笑っていて、後日に突然亡くなって、実はガン細胞の塊だったと判明した、というのでも良かったのに。
最後のファイトに満が勝って、冴香さんが会長を引き継いで、加賀美さんは「おぼっちゃま」に戻れて「あしながおじさん」を引き継いで、如月(筧利夫)は医師免許取得に向けて再出発して......満はひとり、牛丼屋で倒れて心配させたけど、ラストシーンの空のドンブリが満の健在を示して視聴者を安心させて......か。
もはやフードファイターではないただの「痩せの大食い男」となった満だけど、すべてを知った麻奈美ちゃん(深田恭子)とは誤解が解けて、嘘偽りのない対等な立場で、二人で再出発......というのが俺の期待した展開だったんだけどね。
このドラマは、アクシデントを起こすことで、判断の難しい問題から逃げていた気がする。
夏生(堂本剛)が事故死して、その心臓がユキ(広末涼子)に移植されて......移植後に何度もお見舞いに現れた夏生は、胸の中の、彼の心臓が産み出した幻だった......か。夏生の事故死は本当にアクシデントだった。ユキに心臓を提供するために自殺したわけじゃない。いくらドナーカードを持っていたからって、適合性の問題もあるし、優先度の問題もあるし、夏生の心臓がユキに移植されるかどうかは、全く保証されていなかったわけで。それも含めて「奇跡」だったということ?
ユキの生死ばかりを心配してた視聴者に強いショックを与える、という狙いは成功してたんだろうけど......明るい表情で思いっきり走っていたユキは、本当にいきいきしていたけど......約束通り一緒に「Summer Snow」を見れたけど......ドラマを感動的に終わらせるために、夏生を殺すなんてさ。
順平(浜田雅功)の脳腫瘍は、発覚時点で既に手遅れだったみたいだね。みんなとの温泉旅行、ポカポカした河原で、みんなの楽しげな声を聞きながら、順平は安らかに息を引き取った......という感じかな。そしてその一年後に実現した「幸田順平 写真展」。
ちゃんと普通に歩いて登場した美雪(竹内結子)は、完全にリハビリできている感じ。八雲(村田雄浩)はフィアンセと 3人の子供を引き連れて登場。フィアンセは恐らく再婚なんでしょう。彼らしい身の固め方だよね。
赤ちゃんを抱きかかえた文緒(鈴木砂羽)は、直哉(宮本浩次)と共に登場。たぶん結婚はしてないんだろうけど、「困ったときは助けてね」でこういう状態なんだろうね。あとに出てきたお店でのシーンでは、直哉は赤ちゃんの世話をしながら、ノート PC に向かっていた。脚本を書いてたのかな。まだきっと、売れてないんだろうね。(笑)
一年前、「夢は諦めて会社で働く!」と言い出した直哉に「夢を捨てないで!」と言った文緒。その言葉の本気さは、梨沙(和久井映見)とは違っていたと感じたのは俺だけかな。「子供のためだけに結婚はしたくない、あなたも私も相手を本気で愛していないでしょう?」と言いつつ、子供を産むというわがままを通してしまった文緒だけど、自分が自分を貫くのと同じ重さで、直哉の夢のことも考えてあげてたんだと思う。出過ぎない程度に、思い上がりにならない程度に。
結婚もせずに、文緒の求めに応じて、いそいそと赤ちゃんの世話をしに来ている直哉......中途半端に見えるけど、安易な道への誘惑を絶って自分の夢を追い求め、未だに胸を張れるほどの成果が出せていないであろう直哉には、このカタチっていちばんちょうど良くて、けっこう幸せを感じているんじゃないかなぁと思うよ。
梨沙は梨沙で、どうも本職のカメラマンになってしまったような雰囲気。今回一緒に写真展を実現した吉岡さん(内藤剛志)のところで、仕事をさせてもらってるのかもしれないね。
順平が、みんなにわからないように、一人一人の優しい表情をカメラに収めていた、というのは、良かったと思うな。エンディング映像にも繋がるイメージだったし。
仁太郎(役所広司)が最後の弁論を終えたあと、今までさんざん見たがっていた網干(津川雅彦)のギャフン顔なんてどうでもよくなっていて、村人たちと「やり遂げた喜び」を分かち合っていた様子が印象的だったね。フナムシ社長(國村隼)や市の代理人も密かに喜んでいたし。
人の心を無視して、ビジネスとして冷酷にやってきた網干は、最終的に孤立して、勝負に負けて、気持ちでも負けてしまった感じだね。
いやあ、それにしても、勝ったねぇ。仁太郎が裁判に参加するための手だてはマンガだったけど、勝訴となった決め手は真面目なもので、本当の環境問題の裁判でもありそうなものだった。問題自体もこれで終わりではなくて、放置されたゴミの山を今後どうするかについての裁判が将来に必ずありそうで、その裁判で弁護士をやるために、大山くん(香取慎吾)が勉強を始めている、というのも、いい感じ。
裁判を終えて、大げさな芝居をする売れない役者に戻った仁太郎だけど、ゴミを分別しない仲間に怒りをあらわにする様子は、以前は見られなかったもの。ひとまわり成長して、奥さんともよりを戻して、平和に暮らしていそう。きっと朝には、分別通りに自分でゴミを出しに行ったりもしていそうだね。
鴨田(金田明夫)は、今までさんざんスパイしてきてイヤなヤツだったけど、最後の最後にいいトコ見せた。けっこうオイシイよね。金田明夫さんって、いつも「実はいい人」という役柄だなぁ。
ストーリー自体はホントもうどうでもいいと感じているし、生放送への持って行き方もメチャメチャあざとく感じるんだけど、詞とメロディーにはイヤでも心が揺れてしまうわけで、ちょっと悔しい感じ。歌の力って、怖いね。
ヘンテコな詞のインパクトも、もう最初の頃ほど感じないんだけど、「愛を・くださ・い」というメロディーラインは耳に残るし、誰でも愛が欲しいと思っているから、たくさんの人が共鳴してしまうんだろうしさ。
最終回も、ぜんぜん期待できないんだけど、ここまで付き合ってきたんだから、見てしまうんだろうなぁ。
ニセ弁護士に騙され、裁判を断念するしかない状況に追い込まれた女の子たち。彼女たちを放っておけなくて、法律事務所を辞めてしまった花村大介(ユースケ・サンタマリア)。女の子の一人(奥菜恵)がちょっと言ってたように、そこまでして見せるのは「きれいごと」に感じるかもしれないけど、ホントに彼の本心からの行動なんだよね。
俺がもし弁護士で、彼と同じ状況になったら、同じようにできそうな気がする。そういう後先考えない行動を、俺はよくやらかすらしいので。(笑) 彼と同じく独身であることも、そういう行動をやれてしまう理由かもしれないけど。(泣)
それにしても、「踊る...」のメンバーがけっこう揃ってきてるよねぇ。
母になり始めていた智永(田中美佐子)だったけど、その銃弾は有働公子(安田成美)にかすりもせず、逆にお腹の子を、有働公子の銃弾に打ち抜かれてしまった。この運命の差は、今まで犯してきた罪の重さのせいかな。子供にまで同じ運命を背負わせるなんて、神様は残酷。それとも、死んだ方が幸せだった、ということかな。
古賀さん(陣内孝則)の息子は、もう亡くなっていて、古賀さんは臓器売買ルートを追っていくと宣言していた。「息子の臓器で元気になった子供たちに会えるかもしれない。」という気持ちは、複雑だけど正直な希望かも。彼は影の主役だったね。
香澄(山本未来)曰く「限界まで行かないと、戻れない気がした。」......人によって、いろいろと当てはめては、溜め息をついてしまいそうな言葉だね。
重体からやっと意識を取り戻した倉石(藤竜也)が、ついに自分の犯した罪を告白。娘・朝比奈宏美(羽田美智子)に自分を殺させようとしたのは、娘の手で死にたかったからか。とにかく、真犯人が彼なのは、ほぼ確定だね。
その一方で、桜庭一希(矢田亜希子)が暴走を開始。少年に催眠をかけ、由夏(瀬戸朝香)が倉石の病室に忍び込んでいたと嘘をつき、最後には由夏と取っ組み合っていたり......真犯人が動けない中、最後の盛り上がりを作ってくれるのは、きっと彼女だね。なんとなく、「V ガンダム」終盤のカテジナさんを彷彿としてしまうのは俺だけ!?
最終回の注目点は......そうだなぁ。嵯峨(稲垣吾郎)が主人公らしい活躍を見せてくれることかな。
今回の対決相手・冴香(宮沢りえ)の実父(さだまさし)が主張するところの「勝利の女神論」が、どうもムリヤリっぽく感じてしまってねぇ。F1 のアレジとセナを比較するあたりとか特に。確かに満(草なぎ剛)は、麻奈美(深田恭子)の想いを受け入れたことで、今までの食べまくりパワーの源である「反抗心」が萎えてしまったけど、だからと言って麻奈美と別れるっていうソリューションはどうなのかなぁ。
満曰く「俺は伝説になる!」だって。それで最終回は、またもや命に関わる問題を持ち出してきて、命のために食べるのをやめて負けるか、命を捨てても勝利を掴むのか、麻奈美がそれを救えるのか、救うとしたらどうやって......ってか。うーん。
夏生(堂本剛)とユキ(広末涼子)のキス未遂は、もぉー! お約束すぎ! って感じ。弘人(今井翼)たちの騒ぎの直後に、ユキが笑顔で「チュッ!」とかしちゃえば、見てて嬉しかったかも。
ユキの希望で、夏生の部屋で一緒に寝ることになった二人。夏生は最初、五感の全てでユキを感じてしまって、バクバクだったことでしょう。見てる方もそうだったからね。(笑) でも、ユキが「最近眠れないの。」と言い出してからは、夏生はいつもの大きな優しさで、ユキを包み込めていたと思うよ。
でも病室で、「青児さん(中村俊介)とアメリカに行けよ。」と切り出したあとの、夏生の去り際の「ごめん!」は、ちょっと良くなかったと思うなぁ。あれで余計に、ユキの心に未練が残って、それでも言われた通りアメリカに行くことにして、ユキは心がまっぷたつになって生気がなくなっちゃった。夏生がケータイを 1回だけ鳴らして切っちゃったのも最悪。ユキは車椅子を捨てて駆け出し、発作を起こして、最悪の展開に。
どうなんだろうなぁ。
「青児さんの好意を受けるには、青児さんと一生一緒に過ごすことが条件」ってのが、ちょっと引っかかってね。夏生もユキも、周りのみんなも、それが当然であるかのように振る舞ってる。もちろん青児の昔からの願いだし、彼はそのために長年たゆまぬ努力をしてきた訳だし、お金も莫大にかかる話だし、ある意味ユキのために一生捧げてるような感じなんだけどさ。「無償の愛」と言うには大きすぎて、「交換条件」があって当然、ということなのかな。
「そんな虫のいい!」と非難されることを覚悟で言えば、青児はユキの想いを尊重して、自分は医師として彼女を救うに留めて、ユキにとって必要ならば、アメリカでも夏生がユキに付いていてあげられるように金銭面で援助したりして欲しいな。青児の究極の願いは、「男として」ユキと一緒になりたい、ということだけど、それが「幼なじみとして」「医師として」「人間として」という形に変わっても、ユキにとっての「一生大切な人」であることに変わりはないのだから。
想いを遂げることと、周りの全ての人々から永遠に賞賛されること......くらべられないことだけど、本当にユキの幸せを願っているなら、悲しいけど答えは明らかだということに、青児は気づいてくれるんじゃないかな。
順平(浜田雅功)を取り巻く状況、特にカメラ片手に梨沙(和久井映見)と過ごした日々については、前回の状況がそのまま継続している感じだね。
妊娠した文緒(鈴木砂羽)は、「子供を産む」ということについて、ちょっと成り行き任せで「仕方ないから」という感じではあるものの、ちゃんと覚悟を決めて行動している。それに対して直哉(宮本浩次)の態度は、ぜんぜん潔くないよね。「堕ろして欲しいなぁ」と思いつつも言い出せず、「父親になってやる」という気概もなく、でも放っておく勇気もなくて、文緒の店にチョコチョコと出入りしている。この優柔不断さには、八雲(村田雄浩)でなくてもイラつくだろうね。
でもまあ、わからんでもないな。ドラマのスタート時にもパッとしない状況だったのが、今ではより情けない状況になってて、シナリオライターへの夢も潰えて将来が見えなくなってるし、収入もダウンしてて自分が食っていくので精一杯。これに「自分に自信が持てない」という性分が加わるから始末が悪い。梨沙と付き合ってた頃も、結婚についていつも言葉を濁していたね。結婚には、家庭を支える責任というか能力が必要だと思ってて、自分にはその自信がまったく無かったから(←「何とかなるもんだよ」ってみんな言うのにね)。現在の状況だと、よりいっそう「自分には何もできない」ことがハッキリしてるからねぇ。それなら文緒が望んだように「放っておく」ことができればいいけど、放っておくのって、いちばん力が必要とされることだしねぇ。
よく言えば直哉は、石橋を叩いて渡る性分というか、コツコツと力をつけて積み上げていくタイプで、絶対の自信ができてから「やれる!」と宣言するから、周りの人にとっては全幅の信頼をおける頼れる人に「なり得る」人。こういう人が伸びるには、彼の一つ一つの実績を正当に評価してあげる人や、彼の努力ぶりを見守って叱咤激励してあげる人が必要。でも直哉は、業界のしがらみで彼の努力をフイにして平気なプロデューサーにしか出会えなかったし、ときどき叱咤激励してくれた梨沙にしても基本的には自分のことで精一杯で、いつも話半分で自分のことばかり言っていたし、直哉も「いいトコ見せなきゃ」と取り繕いすぎていたと思う。
「根拠のない自信」という思い込みの力があればいいんだけど、彼にはそれを支える成功体験も無かったんだろうなぁ。上に書いたようなサポーター、言い換えれば「彼をおだてて木に登らせてくれる人」と出会えるまで、直哉はコツコツと生きていくしかないだろうね。
最初の頃の、梨沙に対する心遣いぶりからわかるように、基本的に彼は、人の気持ちを考えてあげて癒してあげられる優しい人。文緒の妊娠の件では、自分も当事者だったから了見が狭くなっちゃってるけどね。
人々を自分のペースに巻き込んでも結果を出して周りを黙らせるような人間が、確かに一番求められてるし誰が見てもカッコイイんだけど、直哉はそうなれないし、なる必要もないね。彼のような人間にしかできないことが、きっとある。彼の良さを見抜いて引き出せる人がいれば......甘いかな? すべての人間は、自力で道を切り開くべき? それが人間の最低条件? そういう人だけが生き残る厳しい世の中? ていうか誰にも、他人の世話を焼くほど余裕はないってか? そうかもしれないけど、ちょっと寂しいな。
話は変わるけど、妊娠の件に関して順平が「なんでゴム使わなかったんや?」と言ったところは、我が意を得たり! と膝を叩いてしまったよ。浜ちゃん自身は、そう思ってないかも知れないけどね。(笑)
村人全員にニセ弁護士であることがバレてしまった仁太郎(役所広司)。信乃さん(鈴木京香)のことを根に持っている琴井弟(池田成志)を筆頭にした村の若者たちから、罵倒され、殴られ、村を追い出されてしまったのに、今までで一番熱く、「裁判を続けさせてくれ!」と叫んでいた。カッコ良かったなぁ。
仁太郎 「村のためでもない!
悪いけど信乃ちゃんのためでもない! (←ここが特にカッコイイ)
自分のためにやるんだ! これは俺の戦いなんだ!!」
離婚届記入済み妻がまた、仁太郎のことは私が一番わかってるのよって雰囲気で、実際に仁太郎は彼女の言葉で奮起してたから、信乃さんの気持ちは複雑だっただろうね。
毛野さん(山寺宏一)の「手はあるよ。」が恒例化していて、来るぞ来るぞ、来たー! って感じで吹き出してしまったよ。声がカッコイイから余計にね。
役所側の弁護士も、フナムシ社長(國村隼)も、既に気持ちは村の側。網干(津川雅彦)の卑劣な手の数々は、それだけ打つ手が無くなっていることでもある。勝てる、勝てるぞぉ!
基次郎(江口洋介)の謎めいた行動と嘘の訳が、詳細に説明されていく。説明、説明、説明。どうなんだろう。説明を聞いた後に見た、初回のシーンのリフレインに、なんの感慨も感じなかったよ。
重い病気って、万能の免罪符だよね。基次郎は命懸けだから、気持ちが劇中にある限りは文句を言えないんだけど、なんか、物語を作っている人の姿を感じてしまって、一歩退いた目で見てしまったなぁ。
そうなると、札幌まで来て李理香(菅野美穂)を癒す中也(伊藤英明)や葛井さん(陣内孝則)とか、未だに未明(原沙知絵)に李理香(菅野美穂)を恨ませていることとか、テレビ出演の問題が基次郎の「見たいな。」で解決したりとか、次回予告のテレビ局への駆け込み方とか、どれもこれも予定調和のため、ラストのカタルシスを狙うために思えてしまって......
最終回までに、この不安、吹き飛ばしてくれるのかな。
有名デザイナー・小倉(マイケル富岡)と付き合っていた長沢さん(川島なお美)。ただでさえ「いつもと違う」のに、小倉に対する認知請求騒ぎまで起こって、いつもの冷静沈着さを失っていた。本人もそれを自覚していて、ふと弥生(水野美紀)に聞いてみたり。
長沢 「ね、最近のあたし、見苦しかった?」
弥生 「え?」
長沢 「なんかいい歳して仕事ばっかで来たでしょう?
だからこういうとき、うろたえちゃうのかなーって。」
仕事バリバリではぜんぜんない俺だけど、仕事しかない点では一緒なので(泣)、長沢さんのこの気持ちは良くわかる気がしたな。
弥生 「そんな......年齢とか、経験とか、関係ないんじゃないですか?
いくつになっても恋をすれば、
見苦しかったり、うろたえちゃったりするもんですよ。」
いいこと言うねぇ! でもこの言葉は、恋愛への耐性のなさに思い悩んでる長沢さんに対して言ったから意味があるのであって、恋愛を理由に堂々と無茶しまくる人たちには、あまり聞かせたくない言葉だけどね。
長沢 「そかな......ありがと。」
このドラマの主要メンバーって、ちゃんと相手に「ありがとう」って言うから、見ていて気持ちがいいなぁ。
無言電話の主は小倉のストーカーで、認知請求してきた女性の子供が小倉の子じゃないことを証明できる詳細な行動記録を付けていた。しかしそのノートには、小倉の派手な浮気ぶりも記録されていて......弁護士として小倉を救うために、法廷に臨んだ長沢さん。全てが明らかになったあと、小倉を見つめる彼女の目が、さげすんだ目じゃなかったのが、良かった。
いわゆるひとつの「噴水ビショビショ」シーン......これで吹っ切れたんだと言う長沢さん。
ありがちネタをさり気なく皮肉る花村大介(ユースケ・サンタマリア)の言葉が痛快だった。
花村 「しかし、きたねえ水だなぁ! こんなトコに落ちたのか俺たち。」
失恋を乗り越えて、よりカッコイイ感じな長沢さん。原因が相手側だから、余計にね。
最後のガス爆発は、ちょっとやりすぎな感じだけど、川島なお美さんもご参加ということで、評価しておきましょうかね。
今回は、被害者の母・香澄(山本未来)と片野坂(佐藤浩市)の出会いから今回の事件に至るまでの詳細説明があったね。俺にとっては、前回程度の説明でも十分だったんだけどな。
見どころは一つ。智永(田中美佐子)の妊娠発覚。初回の篤志(妻夫木聡)とのやり取りからして、彼女は「付けない派」だから、不規則な犯罪生活の中でだと、忘れた頃にこんなこともあるわな。いずれにせよ、敵である有働公子(安田成美)と同じ「母」という土俵に突然乗せられちゃった感じで、智永は見た目よりも相当戸惑ってるんじゃないかと思うんだよね。
次回予告は、今まで以上にロケっぽくて、今までとぜんぜん雰囲気が違う感じ。田中美佐子さんがいるから「OUT」のラストを思い出しちゃって、ちょっと不安も。でもあっちはフジか。(笑) 激しい銃撃戦もあって、あの人もこの人も撃たれてたりとか。何を感じさせてくれるんだろうなぁ。
倉石(藤竜也)が何度も見せていたビビり表情は、「私が犯人です」と言っていたね。娘・朝比奈宏美(羽田美智子)に、亡くなった妻のお墓参りに一緒に行こうと切り出していたのも、何か心に決めたからって感じだったし。
で、墓参りの帰り、断崖絶壁の上で、いきなり朝比奈宏美が倉石の首を締め、催眠で暗示をかけ出した! ここで視聴者はビックリ仰天! 彼女が犯人なのか!?......となるはずだったのに、次回予告で、朝比奈宏美の行動も催眠をかけられていたからだーなんて言ってしまうんだもんなぁ。最悪の予告だよ。
そう言われれば、倉石が朝比奈宏美の背中に野球のボールをぶつけたりしていたのが、かけておいた暗示のスイッチを入れた感じにも見えたりして。とにかく、倉石が犯人と言うことで、悪い意味で安心して次回を待てるという訳で。最悪。
もう倉石*以外*が犯人じゃないと、俺を驚かせることはできないぞ!
由夏(瀬戸朝香)も、記憶の中でのっぺらぼうだった犯人の男の顔がわかったらしく。知らんぷりをして行方をくらましたのは、朝比奈さんを気遣ったのか、嵯峨(稲垣吾郎)を巻き込むまいと思ったのか。自らの手で、恨みを晴らそうとするのか。また変身するのか。いずれにせよ、また最初の頃のような魅力的なトコを見せて欲しいというのが、由夏こと瀬戸朝香さんに対する、俺の唯一の願いだけど。
ドクター如月(筧利夫)って、ニセ医者だったんだ。なんかちょっとガッカリ。
チャンプ満(草なぎ剛)の胃潰瘍が、試合時には治っていたというのにも、ガッカリ。
なんでチャンプは、試合中に苦しがってたんだかなぁ。
園出身で園でボランティアしてるカスミちゃん(平田裕香←たぶん)は、今回初めて、その健気なだけではないキャラクターを明らかにした。特徴的だったのは、何か言ったあとに必ず「ウルウル」「わくわく」と擬音をつけること。しつこかったし、オトナが狙って作ってる感じもしたけど、徹頭徹尾やり通していたのと、カスミちゃん自身が可愛いので(笑)、俺は許そう!
八百屋で偶然に麻奈美ちゃん(深田恭子)に会った加賀美さん(田辺誠一)。でも彼女の心は、満のついていた嘘のことで一杯。自分にだけは本当のことを言って欲しかったという麻奈美ちゃんに、「麻奈美さんだから言えなかったんです。好きだから。」と加賀美さんはアドバイス。嘘をついてる苦しさも、事細かにわかり易く......もちろんそれは、加賀美さん自身の気持ち。届かないとわかりながら彼女を想い続けている加賀美さんには、泣かされちゃうよねぇ。
麻奈美ちゃんはケータイ越しに、満に告白。「あなたが好きです。」......すんごくストレート。満が羨ましっす。
その夜、満の家の前で待っていた麻奈美ちゃん。ハッキリ返事してと言ってもはぐらかす満。九太郎(九官鳥)のチャチャが視聴者代表ぽくってなかなか。ついに満は「僕も好きです!」
麻奈美 「あたしが死んだらどうしますか?」
満 「もちろん、一生独身でいます。」
やっぱここまで言えなくちゃね。嘘でもいいから。(笑)
今回のテーマは、「生きていくのに希望は必要」ということだった。俺なりに言い換えれば、希望を守るためには「嘘が真実よりも尊いことがある」ということ。でも嘘をつくからには、一生つき通す覚悟をしなければ。
夏生(堂本剛)を心配させないために、検査結果に問題なしと嘘をついて、調子が悪くても隠していたユキ(広末涼子)。ユキの病状を知り、病状を悪化させる全ての原因を取り除こうとしてしまった夏生。無理しすぎと、心配しすぎ。今の関係が壊れるのを恐れるあまり、相手を想いすぎるあまり。
ユキの病状を悪化させそうな物事は、彼女がいきいきと生きるために必要なストレスでもあるわけで。妥協点を見つけるのは難しいね。命に関わる問題だから余計に。「彼女を救うために」という一念で、本当に立派な心臓外科医になり、実績も積み重ねてきたのが、青児(中村俊介)。「俺しかいない!」という想いは少し一方的だけど、生死の問題を突きつけられてしまうと、有無を言わせないものがあるし。難しいね。
でも、ユキが「死ぬのが怖い!」という気持ちを吐露できた相手は、夏生だったんだよね。
美雪(竹内結子)のイタズラで、戦地に行きそびれてしまった順平(浜田雅功)。それが無くても、戦況が悪化して現地入りは難しかったらしいけど。失意の中で見つけた「死に場所」に凝り固まっていた順平に、思いがけず訪れた、休息の日々。
治療に専念することを勧めてくれた小林(大杉漣)、カメラマンとしての初心を思い出させてくれた梨沙(和久井映見)。タクシー会社をクビになった八雲(村田雄浩)と、彼を救おうと順平を呼びだした直哉(宮本浩次)・文緒(鈴木砂羽)は、自分が人からあてにされていることや、自分が衝動的に他人を救おうとしていることに気付かせてくれた。どれもこれも、梨沙との一件をきっかけに、知らぬ間に出来上がっていた関係。ついこないだまで順平がひたすら避けていた、他人との関わり合い。
「もって 3ヶ月」の順平にとっては、本当に貴重な時間の中での出来事だったはず。彼はそこから何を感じ、どんな結論を出すのかな。
※ 2000/8/31(木)以前の放送分は 別ページ です。 ※